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空手とは | 強いor弱い?どんな流派・ルールがあるのかをまとめて解説します

強いってかっこいいなあ。
僕にも悪者から人を守れるような強さがあったらなあ。
格闘技始めてみようか。
どれがいいかな。ボクシング、MMAムエタイ...
でもやっぱり日本人なんだから、空手で強くなろう!
漫画とかで色んな格闘技に勝ってるし!きっと空手は強いはず!
えーと、家の近くにある道場は...松濤館流?最大流派だって。
よし!入門だ!

待て待て待て待て。

強くなりたいですか?何者にも侵されない強靭な精神を身に付けたいですか?あるいは喧嘩に勝ちたい?

なら即断即決で空手道場へ入門する前に、一度この記事を読んで下さい。きっと求める場所に入門できるはず。

今回は空手の強さ、特色、また目的にあった選び方を個人的な意見としておおまかにお伝えします。
これから空手を始めようとか、興味があるという方の選択の一助となれば幸いです。


1. 空手は強いのか?

「強いとか弱いとか、そんな低俗な事はどうだっていい!」
「己の弱き心を制するための術を学ぶのだ!!」
あと...「強い弱いは修練する人間による!どんな武道だって才ある人が打ち込めば強くなる!!」

とか。


そう思うならそれでも良いです。
ところで空手を実際に学ぶとなったら、それなりに高い金と時間が消費されるわけです。雑談で「一応黒帯ですよ」とでも言えば、相手は貴方のことを本当の強者だと思うわけです。



改めて、そんな空手をするにあたって「強くなりたい」ですか?強さなんてどうでもいいですか?


答えが後者なら、この記事は読む価値がないかも知れません。むしろ、読むだけ嫌な気分にさせてしまうかもしれません。

前者なら、この記事はきっと貴方の力になれると思います。

もし興味が持てそうなら、是非このまま画面をスクロールして頂ければ幸いです。


Q. 空手は強いのか?









A. 松濤館を始めとする伝統派空手は弱い。

はっきり言って弱いです。

しかし、空手には伝統から最先端、弱から強まで多種多様な流派というものが存在します。


2. 空手の流派

いざ空手について考えると、まず最初に立ちはだかる壁が無数の流派の存在です。似たり寄ったりならまだしも、野球とゲートボールほどに内容も目的も違うものばかりで、多くの方が戸惑うかと思われます。
このサイトではこれら大量の空手流派をあくまで「性質、内容」において四つに区別し、その強さを基に各個解説していきます。

一覧:

伝統派空手系(松涛館流、剛柔流糸東流和道流)
フルコン系(極真、新極真、正道会など)
沖縄空手
空手を捨てた空手(大道塾士道館新空手系)


まずは大まかに分類しました。近所の空手道場を調べれば、大体がこれらの流派のどれかに該当するはずです。もし仮にこのどれでもない流派、系の道場であった場合は警戒してください。
というのも、武道や武術の世界には、何も知らない素人が見栄や金を目的に新流派を立ち上げる、といった事が横行しているのです。
マイナーな流派名であればあるほど、そういった詐欺集団である可能性が高くなります。

そんな怪しい団体は排除したとして。
実際のところ、この4グループの中で強さを論じるならばどうなるか?

初めに結論を述べる事となりますが、これは明確です。

空手を捨てた空手(強い)>>>フルコン系空手>>>伝統派空手(弱い)>>>沖縄空手(≒何もしない)

こんな具合でしょうか。


それでは、次項から各流派群ごとに解説します。

伝統派空手系(松涛館流、剛柔流糸東流和道流)

「空手」といえば伝統派空手、そう言ってもいいほどのメジャー流派です。

伝統派空手系の競技人口は7000万人。
次点のフルコン系は2000万人。

競技人口を見れば、他流派より圧倒的に栄えていることが分かります。

営団体もほぼ統一されており、近年ではオリンピック競技に採用されるなど対外的なコミュニケーション力、宣伝力も兼ね備えた非常に安定した団体と言えます。

その強さは?

はっきり言って、弱い。
自分より小さい喧嘩慣れしたヤンキーに勝てるかも怪しいレベルです。
それもそのはずで、伝統派空手は別名寸止め空手。攻撃を寸止めする空手です。

寸止め??

寸止めします。伝統派空手は本当の意味で「攻撃を相手に当てない」空手なのです。
その為「一撃必殺」の理念を掲げてはいますが、バチバチと殴り合うフルコン系などには明らかに大きな実力差を開けられています。
その代わり、オリンピックに採用されるほどにまで競技性を発展させ、安全な武道として女性や子供にも大人気。ある意味では最も成功した流派といえます。
ただ、本当に弱い。女性が路傍の護身術などに使うには無理があります。しかしあくまで運動、スポーツとして行うならばそれも問題なく、おそらくは非常に楽しめる流派です。

強さ:2/5
安全性:4/5
対象:安全なスポーツを楽しみたい方

フルコン系(極真、新極真、正道会など)

上述の伝統派空手に対し、実戦性を求めた空手家達によるアンチ的な存在として成立したのが極真館を始めとするフルコン系空手です。
フルコン(=フルコンタクト)の名を掲げる通り、寸止めに過ぎない伝統派空手と違い相手を本気で殴り蹴る、より喧嘩や実戦に近い競技ルールが売りの流派です。別名は喧嘩空手。
といっても全面的に伝統派空手に優れているというわけでは決して無く、実戦化の代償としてある大きな欠点が存在します。
それが「顔面パンチが禁止」ということ。
格闘技における最強の技は常に顔面パンチです。極真空手はグローブをつけない素手素足の攻防を採用したことと引き換えに、顔面パンチという素手で扱うには危険すぎる技を放棄しました。
しかし顔面パンチが使えないというのは実戦や喧嘩においては決定的な弱点です。
ほかの格闘技は殴るときも蹴るときも、前後左右に移動する時ですら顔面パンチを意識しています。顔面パンチを常に考えた身体操作を常時行なっているわけです。
フルコン系空手にはそれがありません。
これが意味することは、例えば顔面パンチのあるキックボクサーなどからしてみれば、彼らはあまりに与しやすい獲物であるという事です。
フルコン系の空手家が蹴りを放った瞬間、パンチを打った瞬間、前へ踏み込んだ瞬間、あるいは安全な距離へと逃げようとした瞬間。全ての行動が、キックボクサーへ格好のチャンスを与えることに直結します。つまり、絶対に勝てないのです。
素人相手の喧嘩ならこんな心配は不必要でしょう。
しかし「格闘家」という人種に対し、フルコン空手は絶望的に相性が悪いのです。
これがフルコン系空手の弱みです。

ただ、これは当たり前ですが、この流派は「顔面を打たれない」安全な空手という訳でもあります。これは中々に大きなメリットで、「後遺症の残るような大怪我は絶対にしないという保障付きで」素人より圧倒的に強くなれる、唯一の競技がフルコン系の空手なのです。
つまりよく言えば、安全性と実戦性のいいとこどりをした流派といえますね。
悪く言えば、どっちつかずでもあります。

また、女性が護身術として学ぶのは悪くないと思いますが、どんな暴漢にも絶対に負けない強さが欲しいならば少々不足かもしれません。

強さ : 4/5
安全性 : 2/5
対象 : 素人〜喧嘩慣れした素人レベルに勝ちたい人

沖縄空手

これはあまり詳しくないのですが、一切試合を行わず、木の板や空気を毎日殴り蹴るといった趣旨の流派のようです。
実戦性は皆無と言っていいでしょう。どちらかと言うと生け花や茶道と同種の存在であるように思えます。
厳密には空手ではなく、その前進となった沖縄の武術であるとの事です。
オリエンタルな気分に浸りたい人、人とは少し違う事を学びたい人などにオススメです。

強さ : -/5
安全性 : 5/5
対象 : 物好き

空手を捨てた空手


変化を重ねた結果として空手の範疇を外れてしまったような流派です。
特色はそれぞれありますが、どれにも共通して言えることは「空手の看板を掲げた現代格闘技」である事、そして非常に実戦的である事の2点です。

それもそのはずで、

空手よりボクシングのパンチの方が強い→ボクシングの打ち方に変えよう!
空手よりムエタイのキックの方が強い→ムエタイの打ち方に変えよう!
空手よりレスリング、柔道の投げの方が強い→レスリングや柔道の投げに変えよう!

テセウスの船よろしく、後に残るのは空手の看板だけだったという具合です。

もはや空手と言えるのか?
実際、先に流派の一つの大道塾などは空手を名乗る事をやめ、独自の武道団体として運営しています。

ところが練習生の立場からしてみればそんな立場上の複雑さなど関係なく、ただ強いという事実があるだけです。うまい戦略ですね。
空手を始める根本的な理由には「強くなりたい」という感情があるでしょうが、実際には「道着を着たい」など形に憧れる方も多い。両者のニーズを正確に捉えた良いとこ取りの流派です。

しかしどの流派も団体規模や歴史の浅さが欠点となり、結局のところ現代格闘技には技術、実力などで一定の差をあけられているのが実情です。より純粋に強くなりたいならばMMA(総合格闘技)、キックボクシングなどをお勧めします。

それでも、武道の中では圧倒的に強い。現在のプロ格闘の世界にそれ単体で挑むことの出来る唯一の流派グループがこれら「捨てた空手」達といえます。
そりゃあ、プロ格闘の技を輸入しているのだから当然なんですが。

強さ : 5/5
安全性 : 1/5
対象 : なにより強くなりたい人


総括

以上、空手流派の選び方でした。
記述したように、強さだけを選択理由にするならば意外なほどに明確な差、基準が存在します。
もちろんスポーツとしてみればどれも素晴らしい競技レベルの流派ばかりです!
最後までお読みいただきありがとうございました。

キックボクシングとは | 強いのか。ボクシングや空手との違いは?

キックボクシングのイメージってどんなものでしょう。

ボクシングは武骨な格闘技の世界にあって、比較的スマートでテクニカルなスポーツという感じ。

総合格闘技(MMA)は「闘う男」「戦士」といった言葉がそのまま当てはまるような、汗と血みどろのぶつかり合いといったイメージ。(実際はボクサーも戦士、総合格闘家もアスリートです)

じゃあキックボクシングは?

かつてのK-1を知っている方ならば、華々しい舞台で声援を浴びる人気者を思うかもしれません。
個人的には「いうとくけど俺キックボクシングやってっから」と息巻く往年の不良少年の印象も捨てがたい。
女性がダイエット目的で始めるクールな趣味みたいな側面もあります。

今回はそんないまいち実体のつかめないキックボクシングを、その「内容」そして「強さ」の面から解説していきます。


1.キックボクシングとは?

まあ言葉の通りで、キック+ボクシングという訳なんですが、この競技っていったい何者なんでしょう。いつどうして生まれて、今日まで続くのか。

最初にちょっと昔の話をします。

ムエタイって知ってますか?
タイの国技にして立ち技最強とも称される、完成された技術体系を持つ格闘技です。

ムエタイは空手の天敵でした。

かつて型を主体とした文字通り形式的なスタイルの伝統的な空手から派生し、真の最強を標榜して旗揚げされた実戦空手というものがありました。彼らが打ち立てた「実際に本気で殴り合う」という今日では当たり前のコンセプトは当時の日本武道にしてとても先進的なものでしたが、暫くの後、それはタイから小遣い稼ぎにやってきた「本国ではそこらへんに沢山いるようなムエタイ選手」達によって完膚なきまでに打ち砕かれます。

敗因は空手の動作の根幹にある考え方です。当時の空手はなおも伝統的に取り決められた作法に縛られていました。ムエタイの動作にこれといった作法はなく、それゆえ野生動物のように合理的で、並み居る空手家達を蹂躙していきました。

こうしてムエタイ>空手の構図が出来上がります。それから柔軟にムエタイを学び始める者もいれば、空手に固執し敗北を認めない者もいる中で、ある一人は「空手と現代格闘技の要素を混合した新たなる格闘技を生み出せばいいじゃないか」との考えに思い至りました。そうしてついに生まれたのが、





空手ボクシングです。

空手とボクシング、ムエタイを融合させた新たな競技です。さっそく彼は興行を打ち立て大会を開催しましたが、その奇抜な名前からかあまり受けは良くありませんでした。ということで彼は競技名をカタカナが並んでかっこいい「キックボクシング」と改め、打倒ムエタイを掲げて動き出しました。空手消えちゃった

ともあれ、キックボクシングの人気は当時の格闘技ブームの波に乗って爆発しました。それから紆余曲折合って2000年代のK-1全盛期、今日の那須川天心&武尊時代へと繋がっていきます。

そんなことで、現代のキックボクシングは組技を多分に含む「ある種の総合格闘技ムエタイに色濃く影響されながらも、特にキックとパンチに重きを置いた競技となりました。これは実は前身であった実戦空手がキックとパンチだけの競技であったことに由来します。つまりキックボクシングは、空手の伝統の代わりに実戦を、空手のキックの代わりにムエタイのキックを、空手のパンチの代わりにボクシングのパンチを使用する、全てをかなぐり捨てた空手なのです。(?)


2.キックボクシングは強いのか?

近頃は総合格闘技の隆盛の中でキックボクシングの強さに関する議論が活発化してきました。変容し、若い女性を主要な客層の一つに定めつつあるジム側としても、以前より「護身術」という側面を前面に押し出す事が増えています。そんなキックボクシングが路上において、また格闘技の世界においてどれだけ強いのかを理由と共に説明します。


まず喧嘩や護身術の道具として見る場合。

これは明らかに「とても強い」です。

ここでいう「とても強い」とは、例えば低身長で細身の女性が1年間の練習を積んだ場合に「体格で大きく上回る暴力的な素人男性や、体格で多少上回る黒帯の少林寺拳法家の男性を易々と無力化出来る」程度を表します。

以下は大まかな理由です。

キックボクシングは護身術として実際に機能するための前提条件である「実戦形式の試合」をフルコンタクトルールで採用しています。フルコンタクトとは簡単に言えば「本気で相手を殴る」という意味合いです。

路上の暴力沙汰は、あえていうならフルコンタクトのパンチ、キックに加えて組技が許可された総合格闘技ルールに近いといえます。キックボクシングではその中で「打撃」に関してはほぼ同様の状況を想定した訓練を積む為、喧嘩や護身の際に高い効果を発揮するというわけです。

特に素人の喧嘩では殆どの場合で立ったままの殴る蹴るか、取っ組み合いから押し倒して殴る蹴るのどちらかの手段が用いられます。人間ならパンチとキックは本能である程度できる「気がします」が、柔道や柔術レスリングは学ばないことには動作の想像もつかないので。そしてキックボクシングの技術はこれらの攻撃に対してじゃんけんのようにちょうど相性が良いです。ジムで「当てるつもりで殴ってくる相手」を体験できるフルコンタクト競技にあって、形と呼ばれるダンスの練習を主体とした伝統的な武道・武術にはない特性です。

ただし日本では、特に男性の場合ですが、相手の肉体に大きな傷をつけるキックボクシングは簡単に「過剰防衛」を適用されてしまうのが最大の難点です。傷が目立たない柔道やレスリングの投げに比べて、警察の心象はかなり悪いようです。


次いで、ボクシングやMMAのような現代格闘技の中での強さについて。


これは「普通」です。

ボクシングと同じくらいの立ち位置です。

特別強い人も弱い人も数多くいますが、キックボクシング単体でその強さを評するならばこれといって強くも弱くもありません。

「弱くない」理由については上記の路上編で述べた内容に近いです。付け加えるなら格闘技で最も競技人口の多いボクシングに対して相性が良いことと、特にアメリカではキックボクシングから総合格闘技へと乗り換える方法が確立されているという他力本願な強みがあります。

「強くない」理由では、主にレスリングのような組み技と柔術的な寝技に乏しいことが大きいです。多少ムエタイから輸入した組み技の技術が残されてはいるものの、実際に用いられる事はほぼありません。

訓練された格闘家同士の戦いでは殴り合いと取っ組み合いの二つの状況が繰り返されますが、この状況をどちらかからもう一方へと移行させるのは組技の技術となります。つまり組技において大きく優れる側は、殴り合うか組み合うかを自由に決定する権利を持っているわけです。これがキックボクシングが強いとはいえない理由です。キックボクシングのような打撃の技術が十全に活かされるのは自分と相手の組技の能力が拮抗しているか、自分がより優れている場合ですが、キックボクサーは総じて組みが弱いです。そのため「キックボクシング単体では現代格闘技の中でも更に強いとは評し難い」と結論付けられます。

以上がキックボクシングの強さに関する考察でした。

3.キックボクシングをやるべきか

一通り解説して、これといって特色のない競技である事がなんとなく分かりました。単純にキックボクシングが好きで始めたいという方、近所にあるのがキックボクシングジムだけで気になっているという方に対しては、引き止める理由がないという点でお勧めします。おそらくキックボクシングは貴方の想像している通りの競技です。

それに加えて、キックボクシングを積極的にお勧めしたい相手もいます。最後にそういった層の方向けの説明をしたいと思います。


まず若い女性で現代格闘技を学んでみたいという方。
キックボクシングジムには女性クラスが設置されていることも多く、ボクシングや特に総合格闘技に比べて女性率が高いです。同性の仲間がいた方が居心地も良いと思われますし、実戦形式の練習でも階級性別を合わせられる分より安全に試合に近い内容のものを行えるでしょう。

それと、野郎と肌付き合わせて揉み合いたくねーよという方。
組技を含む格闘技ではどうしても相手の汗が自身にべったりと付着したり、髪の毛が口の中に入ってきたりします。組み合うことのないキックボクシングならそんなことはありませんので、安心してご利用いただけます。


4.まとめ

以上がキックボクシングの解説と、強さに関する考察でした。この競技は格闘技を転々とする私が中でも「メイン」と捉えているスポーツですが、贔屓はせず他競技と公平に評価したと思います。とはいえキックボクシングが大好きなので、この記事にて興味を持って頂けた方がいらっしゃいましたら是非とも近くのジムの門を叩いてみて下さい。最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

合気道とは | この謎に包まれた日本武道は本当に強いのか。格闘技経験者による視点

合気道ってなに?」
と聞かれて、答えられない日本人はまずいないでしょう。
かなり有名な武道です。
空手・柔道・合気道 って感じですよね。

しかし「合気道ってどんな武道?」と聞かれるとどうでしょうか。

うーん....

・達人のおじいさんがやってるやつ
・女子供でもマッチョを倒せるみたいなやつ
・相手の力を利用するみたいなやつ
・極めれば強いみたいな
etc...

こんな具合になります。かなり曖昧ですよね。結局どんな武道なのかと考えると、わりと結論を出すのに窮します。
空手だったら殴るやつだし、柔道だったら投げるやつなんだけど...
合気道??

ということで、今回はこの謎武道「合気道」について、具体的な技法・理念とその強さ、特色などについて解説していきます。これから合気道を始めようと考えている・あるいは迷っているような方に向けたアドバイスとなれば幸いです。
よろしくお願いします。


※筆者には合気道の経験が一切ありません。この記事はあくまで現代格闘技・柔道経験者による一つの意見となることをご理解ください。



1.合気道は強いのか

まず最大の論点についてです。


合気道で強くなれるのか。


これは、かなり難しいと私は思います。そもそも合気道は、
「強くなることを一切求めていない」ように見受けられました。

現在の合気道の存在意義といえば、一般的にイメージされるような「護身」や「肉体・精神の鍛錬」という意味合いはかなり薄れています。
もはや「歴史の勉強」であったり「文化の継承」と言った方が妥当だと思われます。


数十年前の設立当時ならいざ知らず、今の合気道は「弱い武道」の条件をことごとくコンプリートしています。詳細は後述しますが、ともかく

どれだけ高度な技法が存在していたとしても、実質的に今はもう失われている

と判断するしかない無数の材料が揃っているのです。

よって、合気道はただ「強くなる為・身を守る為」には決して始めるべきでないと結論付けます。



「そんなことはない!」と、この結論に疑問を持たれる方や、武道としての実力を度外視にして合気道について知りたいという方に向け、次項では合気道の具体的な技法・理念についての解説をしていきます。


2.合気道とは一体どんな武道なのか

合気道は、一口に言えば「組技武道」です。
つまり打撃(パンチやキック)の練習は一切行わず、相手を掴んで投げたり転がしたりすることだけを学ぶ、といった主旨の武道です。(護身術として考えるとかなり問題である気がしますが)
柔道や柔術の類と同様というわけですね。
合気道には「手刀」つまりチョップというのもあるにはあるんですが、これは手刀を刃物に見立て、素手の組技でうまく対処すべしという、あくまで約束組み手の「負け役」としての存在です。

では柔道や柔術に比べ、合気道がどういった特色を持っているのか。

なにより大きな相違点は、合気道について誰もが知る「相手の力を利用する」という理念です。

柔道であれば結局は力強さと素早さが技の質を決定しますが、合気道は相反するように「力はいらず、速さもいらず」といったスタンスをとっています。じゃあ何を要するのかというと、これが相手の力なんですね。

1.人体の構造を理解し〜
2.相手の重心移動を知り〜
3.相手の筋肉の操作を完全に把握したならば〜

結果、自分の力は大して使わずとも闘いを制する事が出来るというのです。


が、

これは実際には不可能に近いです。

前提となる、1〜3の部分が現実的ではありません。

本気でこんなことが出来る人間がいるとすれば、それは他流派をことごとく極め、人生を武道に捧げて生きる、天才的なボディイメージと想像力を持つ百年に1人の逸材...

くらいでしょうね。

そんな天才に、同じく合気道の全てを習得したような天才が指導をした場合だけです。

ちなみに、現在合気道界にはそのような神話的扱いを受けている人はいません。つまり、そんな本物の合気道を指導できる人間は存在しないということになります。




柔道や柔術との相違点その2。

合気道には試合が存在しません。

当ブログでは毎度のように述べていますが、試合を行わない武道はどこもかしこも弱いです。
その理由は、技術の進化が存在しないこと。
武道だけでなく、どんな競技にも完全な指導というのは存在しません。
ですから、武道を学ぶ時は必ず自分なりの自己解釈というものを伴いますが、多くの場合はこの正解不正解を「試合」という場において判別するようにできています。

逆に言えば、ある選手が「今までの教えよりこちらの方が良くないか?」と思ったならば、それを実践で試すことも可能なわけです。

合気道の場合、これがありません。
自己解釈も、間違った指導も、完全に投げっぱなしです。
結果、何が起こるのか。
「指導者自身も正しいかどうか分からないものを、そのまま弟子にコピペする」という形容しがたい流れが出来上がります。
また日本人というのは誰しも権威主義なところがありますから、弟子は師匠を全面的に正しいもんだと思い込みます。

結果、「形だけ」開祖や師匠だった達人と同じ動きをするが実のともわない、いっそ武道風ダンスといっても差し支えないような動きを学ぶことになりかねません。

分かりやすい例として「達人であっても背後からの気配実際に感じること不可能説」というものがあります。水曜日のダウンタウンです。
その内容は「安藤毎夫」なる合気道の達人を背後からデコピンハンマーでぶっ叩いて、防げるのか否かといったものでした。
出演者の方は「養神館 師範」という、合気道でも総本家と呼べるような団体の最高位です。
そのうえ彼は検証前、そんなものは簡単に出来ると豪語されていました。私は天下の合気道師範であるぞと。

そして結果、彼は女子高生に見事に後頭部を打ち抜かれて敗北・・・

問題は彼の合気道が本物かどうかではなく、合気道の最大流派である養神館が彼のような技術レベルの人間に「六段 師範」という大層な肩書を与えていたという点です。

もしこれから先、合気道に本当の実力者が現れたとしても・・・
合気道の技法が真に有効なものだったと判明しても・・・

運営母体が変わらない限り、先の安藤氏のような人を指導者として認めてしまうことには変わりがないわけです。
すると、これから合気道を学びたい人の視点からは「師匠が実力者なのか偽物なのかわからない」という状況になります。
これは合気道についてただ一つ否定のしようがない、明らかな欠陥といえるでしょう。



続きます。
合気道の三つ目の特色は、

あまりに特殊すぎる

というものです。


【格闘技・武道】強くなれないあなたが誰よりも強くなる方法1.
https://fightblog.hatenablog.com/entry/2020/05/01/195734

詳細はこの記事などに示していますが、本来武道や格闘技の強さとは網羅性に限ります。
網羅性というのは、汎用的な対応力の事です。
出来るだけ多くの状況に対応可能であることこそが格闘技の強さであると私は思います。
その点において、師範レベルの人間ですら一度もパンチを受けたことがないよという合気道界の在り方は、非常に視野が狭いと言わざるを得ません。

合気道の最大の強みは「特殊性」、つまり他流派からしたら見たこともない技術群を保有していることらしいですが、これがそのまま弱みにもなりうるということです。
よって、現代格闘技の世界に浸透した柔道・柔術と比べると、やはり実戦性には大きく劣るというのが現実です。


以上が、目立ってわかりやすい合気道の特徴でした。


3.合気道を学ぶ意味。

これまでに、合気道はその技術の特性上強くなるには向いていないよ、という話をしました。
これは本当に強さの面にのみ注目した話であって、上述したような歴史の勉強、文化の継承という点ではきっと合気道も大きな意義を持つはずです。

ところで、月に何千円という金、そのうえ長い時間を払って「文化の継承」したいですか?

誰しも最初は強くなりたいと入門して、そのままなし崩し的に仕方なく合気道を続けているのでは?

などとという疑問はさておき、強くなることを全く放棄するのであれば合気道はいい運動、体操になるはずです。

ただ一つ、あなたが「自分の弱さを捨てたい」だとか「自分や家族の身を守れる強さが欲しい」そう思うのならば、合気道界隈の甘言に絆されず、しっかりと自分を持ってMMAでも初めて欲しい・・・という話でした。


ちなみに実は筆者自身、合気道家に投げ飛ばされた事があります。格闘技の類いを何一つ学んでもいない子供の頃でしたが、柔道でいう大外刈りのような技で見事に転がされました。
そりゃあもちろん武道なんだから、強くなることには間違いないです。


以上、合気道に対する私の見解となります。
ご読了ありがとうございました。

テコンドーとは | 強いのか?経験者が空手・キックボクシングとの違いから解説します

世界に誇る東洋文化の発祥地、東アジア諸国
和食や中華料理、独特の建築様式。他にも日本や中国の生み出した文化の数々は、今もなお国際社会に高い評価を得ています。
それは格闘技の世界にあっても変わりません。恐らくは大昔の中国に端を発した所謂「武術・武道」の概念。
とかく「競技性」に牽引されてその本質を変えてしまうことの多い格闘スポーツの世界ですが、武道や武術の実戦を求める姿勢は今も競技者たちに忘れてはならない根源として強堅なテーマを与えているでしょう。

まあそんな中にあって、良く言って何かと奇妙な話題に飽きない国の武道があります。

大韓民国北朝鮮

今回はこの二国を起源とするスポーツ武道・テコンドーを詳細に分析します。
主にテコンドーをこれから学ぼうか考えている人にとって、有益な記事となるよう執筆させて頂きます。

1.テコンドーとは

科学の武道。パクリ空手。あるいは脚のボクシング。
至る所で妙な異名をとる武道のテコンドーですが、一体何者なんでしょうか。

一言で言います。


空手のパクリです。

パクリが変化を重ねて独自性を獲得したものです。

いきなり辛辣かもしれませんが、テコンドーを知るにあたっては第一にここを押さえておいて下さい。とても大切な事です。

テコンドーとは、第二次世界大戦後に一人の朝鮮半島出身の空手家「崔泓熙」が生み出した空手の亜流です。
もともと崔泓熙は空手を朝鮮に普及するつもりでいたが、国民の反日感情愛国心を考慮した結果、独自の武術として売り出す事にした、というのが発祥の経緯のようです。よって草創期のテコンドーは名を変えただけの空手と差異ないものでした。この時テコンドーは「北朝鮮の武術」として発生しています。

日本でテコンドーが今一栄えない、謎の格闘技のように振舞っているのはこの辺りに理由がありそうですね。武道をやるとして、テコンドーより空手を選ぶのが自然な発想です。

しかし世界的に見るとテコンドーの競技人口は空手や柔道のそれを大きく上回っています。

2.テコンドーの競技性質

テコンドーの異名に足のボクシングというものがありましたが、言い得て妙な表現です。
テコンドーには大きく分けて二つの流派があります。韓国のWTFテコンドー、北朝鮮ITFテコンドーですが、そのルールを簡単に説明します。

北朝鮮の流派:ITF

・蹴りやパンチを相手に当てると1点。
・一部の高難度な技は2〜4点。
・連続パンチは二発まで、ジャブとストレートのみ。
・本気で攻撃してはいけない。
・下半身に攻撃してはいけない。
・背面に攻撃してはいけない。
・時間までにより高得点をとった者の勝利。

韓国の流派:WTF

・蹴りやパンチを相手に当てると1点。
・一部の高難度な技は2〜4点。
・胴体、頭部に防具を付けて試合する。
・下半身に攻撃してはいけない。
・背面に攻撃してはいけない。
・顔面パンチは禁止。
・時間までに高得点を取るか、相手をKOした者の勝利。


ざっとこんなところです。
共通した大きな特徴が、ポイント制であるという事、パンチの制限が大きい事、そして安全性をとくに意識しているという事です。

ここでキックボクシングのよくあるルールを見てみましょう。

K-1ルール

・キック、パンチでの攻撃が可能。
・相手をKOするか、3ラウンド戦った後に判定で決着。


非常にシンプルです。ボクシングだとか、いま有名な総合格闘技も使用する攻撃手段は違えど同じようなコンセプトで試合を行なっています。

この違いから分かるのは、そもそもテコンドーは「強さ」を追い求めた武道ではないという事です。
テコンドーの勝利条件にKOというものが一応ありますが、顔面パンチを禁止され、そのうえ剣道以上の堅固な防具に身を包んで行う試合では、KO決着などほぼありえません。

こうして、例によって結論付ける事が出来ます。

Q.テコンドーは強いのか?

A.比較的弱い。

そもそもテコンドーは厳密には武道ではありません。跆拳道と表記するにもかかわらず武道ではありません。
正式には「武道スポーツ」であるとの事です。
何が違うの?と思われるでしょうが、これが大きな意味を持っています。
言い換えれば「テコンドーは武道の形をとったスポーツである」という事になります。本来武道であった空手からの変更点でもあります。
ようは「戦うためのもの」として設定されていないのです。


3.テコンドーで強くなれない技術的理由

「テコンドーの試合ルールが実戦的ではない事はわかった!でも本来は殴り合いの技術なんだから、しっかり学べば強くなれるんじゃないか?」

そう思った方が多いはずです。これからテコンドーが弱い理由を技術の面から紐解いていきます。

・打撃が弱い

根本的な理由はこれです。そもそもテコンドー選手はルール上強力な打撃を放つ必要がないわけですが、特に試合などで結果を出した有名選手などは正に「素早く何度も当てるための蹴り」に特化しています。腰を入れて蹴るほど、強く力んで蹴るほど、全身を連動させて蹴るほど動きは大振りになっていきますが、テコンドーはその逆を行っている訳です。
多くの場合、そういった選手が後に指導者となり若者に速く弱い蹴りを教えます。本当に強い打撃を持ち試合ルールに迎合しない、実戦的な選手は真っ先に敗北して淘汰されていくのです。
結果、テコンドーは年を重ねる毎に弱くなっていきます。

・打ち合えない

テコンドーのルールはポイント制、手技は制限だらけ。
よって試合は殆どが足による遠距離の攻防となっています。
点数の稼げない手技を学ぶより、蹴りの技術を少しでも高めた方が試合に勝てるのです。よってここでも指導の話に帰結しますが、殆どの道場ではろくに手技を学びません。ワンツーパンチを30回ほど繰り返せば満足です。
ところで知識のある方はお分かりでしょうが、ボクシングに限らず殆どの格闘技では顔面へのパンチが最強の技として扱われています。キックボクシングですら、蹴りはパンチを当てるための準備といっても過言ではありません。
その中で、ルール上手技が不必要であり、それを学ぶこともないテコンドーは弱いのです。
個人的には格闘技で最も大切な技術はパンチに対する防御技術だと思うのですが、テコンドーの場合指導者すらパンチが出来ないのだからその防御技術など学べるはずもなく、まして格闘家と殴り合うなど夢のまた夢ですね。

・なんというか型がありえない

ここは特にITFテコンドーの話になりますが、これはもう...本当に、なんというか型がありえないんです。
型とは何か、ようは踊りのように決まった動きを繰り返す練習です。一人でパンチ→キック→何やらと、同じ動きを繰り返していれば対人戦の場でも同じように動けるはず、という趣旨のものです。
どんな武道にもだいたい存在する「型」ですが、テコンドーのそれは馬鹿馬鹿しいにも程があるというか、ふざけているとしか思えないんです。これは4番で詳しく説明します。
動画のURLを載せておくので見て頂くのが早いと思われます。

『Do-san tul』https://m.youtube.com/watch?v=WqUy-MeFSJs
『Chon-ji tul』https://m.youtube.com/watch?v=pRbmNys1tKI&list=PL922645D8CA319CEA&index=4&t=0s

・妄想の科学

最後に、テコンドーの持つ最大の特徴として、「サインウェーブ」という考えがあります。
高校卒業者ならなんとなく察しがつくでしょうか。
数学の三角関数などに出現したsin、ようは正弦波です。これを殴り合いに応用しようというのです。


一体どんなインテリかと思いきや、実際には拍子抜けです。簡単に説明すると
「正弦曲線のようにふわんふわん上下しながら攻撃する事で、落下の力を攻撃の威力に加える事ができる」というものです。
意味わかりましたか?
ようはうんと背伸びして、そこから身体を落としながら相手を蹴ったり殴ったりすれば、重力が加算される分強い攻撃を放てるというのです。これをテコンドー最大の武器として、型や板割りなどあらゆる場面で修練します。



もはや馬鹿としか言いようがありません。
創始者はこれをもって「テコンドーは科学的な武道である!」と息巻いていたようですが、なんとも。
彼に聞きたい。

ベクトルの分解って知らないですか?

高校物理基礎やってますか?

恐らくはないでしょう。

まあ気持ちは分かるんですよ。確かに背伸びから落ちながらパンチを打つと、「なんか強くなった感」が味わえるんです。これは落下の衝撃が全身に伝わっているのをパンチの威力だと勘違いしているんです。

しかも創始者は「サインウェーブの発見によって空手の6倍の威力を生み出すことに成功した!」とほざいたらしいです。

いやあ〜。
実際には目一杯多く見積もって0.7倍くらいでしょうか。
あと背伸びしているうちに殴られますよ。
むろんこの馬鹿げた理論を試合に使う選手は皆無です。

という事で、以上がテコンドーが弱い技術的理由でした。次の項から唐突ですが、テコンドーの良さを語っていきます。

4.テコンドーの強み

テコンドーが弱い弱いと言い連ねましたが、ただ弱いだけではここまで世界に名だたる一大スポーツとして発展しているはずがありません。テコンドーにはある強力な武器があります。
それが「変則技」です。

かかと落としや跳び後ろ蹴り、旋風脚などまるでアクション映画のように派手な技の数々をテコンドーは持っています。
よく見栄えがいいだけの踊りだと言われるこれらの技ですが、実は中々馬鹿に出来ないんです。

というか明らかに強いです。

K-1アンディ・フグUFCチャンピオンのアンソニーペティスなど、テコンドーをプロ格闘技に有効活用した選手も多く、実績も十分。

今強くなりたい人がテコンドーを学ぶ理由といえば、これが大きいと思われます。


【2019】衝撃ノックダウン KO集【キック】2019 KICKBOXING BEST KNOCKOUTS MUAITHAI HIGHLIGHTS
https://m.youtube.com/watch?v=4R6eDwl_DrY

5.テコンドーと空手、どちらを学ぶ?

これは難しい話ですが、一般に空手として扱われる4大流派、いわゆる寸止め空手と比較するならテコンドーの方が優れています。
寸止め空手とはその名の通り、攻撃を寸止めする空手です。相手に一切のダメージを与えないんです。さらに攻撃の差し合いをするたび逐一仕切り直しをします。ここを知らずに空手を始めてしまう方がいますが、よく考えてください。もちろん安全を期するなら空手がより良い選択です。
強くなりたいならば、そういった古い空手に対してテコンドーは幾分か優れています。審判の頻繁な介入もなく、寸止めでもない。とくにITFテコンドーは顔面パンチもあり空手に比べると圧倒的に強いです。

しかしたんに強くなりたいというならば極真空手新空手に代表されるフルコンタクト(=本気で殴り合う)空手を学ぶべきでしょうし、究極的に言えば競技人口や規模が圧倒的な現代格闘技、つまりキックボクシングや総合格闘技を選ぶのがベストなわけですからやはり難しい選択です。


6.総括

辛辣な話もありましたが、試合もあり強力な技もありと、少林寺拳法合気道に比べると明確に強く優れた武道であることは否定のしようがありません。
スポーツや運動不足解消、路傍の喧嘩や護身術としてなら十分。格闘技としてもキックボクシングなどを習得した上で学ぶなら非常に有用な技術ばかりです。
昨今の複雑な文化事情もありますが、個人的にはおすすめの武道の一つです。
以上、テコンドーの分析でした。

武道の強さを論じるなど不毛、という意見

こんな言葉を聞いたことがありますか?


「野球とサッカー、どちらが強いかは決められない。意味がない。ルールに基づいて練習するだけだ」


要はこれ、武道などにおける流派の強さを議論する人達を揶揄した言葉です。
「サッカーはサッカーの練習、野球は野球の練習、〇〇拳法は〇〇拳法の練習をしている。強さなどでは測れない...」

そんな意味らしいですね。なんとも納得させられる感じがします。この考えが正しいのでしょうか?

私はそう思いません。

例えばこの言葉の前提、サッカーと野球、どちらが強いか?という話。


サッカーに決まっています。

第一にサッカーは人間同士で対面する、動きを読み合う攻防があります。またボールを蹴る動作は格闘における「キック」に通じますね。

これに対し、野球では人対人の攻防は殆どありません。バットを振る動作も、ボールを投げる動作も、それを捕る動作だって格闘に活かせるものは何一つありません。

但し、武器を使用して良いというルールでは多くの場面で野球に軍配が上がるでしょう。
野球選手の投擲は殺人的ですし、バッティングはいうまでもありませんから。


と、私はこのように分析します。
これも「喧嘩」やら「実戦」と呼ばれるある種のルールに基づいた思考です。

武道や武術、格闘技だって同じであると思うわけです。

もちろん、伝統派空手は拳を入れない、極真空手は顔を殴らない、少林寺拳法は戦わない。
そういった流派ごとの差異はあって、各々がそのルールにおける強さを求めて練習しています。


じゃあ実戦ではどうなの?


この質問に対して「ルールが違う!」など言ってしまっては、話が成立しません。

ムエタイは元を辿れば軍隊格闘術、空手は路上の戦闘術、少林寺拳法は護身術。

どれだって強さを求めるものに他なりません。
だからこそ今から武道・格闘技を始めようと言う方が、その強さを選択基準の一つにしようとする。
今修練している人々が、自分の流派に疑念を持つ。


そんな時、困る人達がいますね。
実は弱い人達です。

私見では、最初に示した言葉を述べるのは殆どが「一般的に弱いとされる」流派に属する方々です。


絶対に、騙されないでください。


以上です!!!